危険な食品添加物 異性化糖
異性化糖
異性化糖とは
一般的に使われているのはブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、コーンシロップ等である。
清涼飲料水や市販に売ってるコーヒー牛乳などの裏の成分表示を見るとよく先頭に書かれているおなじみの原材料。そもそも、この異性化糖とは何なのか?
元々の原料は、日本では1960年代にサツマイモの活用方法として製造されたのが始まりで、アメリカではトウモロコシがその代表です。
1958年12月31日、当時のキューバ革命で砂糖の原料であるサトウキビの生産が大幅に減少し後にソ連崩壊が追い打ちをかけるように起こりキューバ全体の産業生産が衰退したことがきっかけで異性化糖の開発が進んだ。
現在では、砂糖の代替品として広く普及している異性化糖。最初の始まりは日本の研究者が砂糖不足の状況をどうすればいいか考え何度も試行錯誤を繰り返し実験に成功したのちアメリカの大手飲料メーカーが使用した事で世界的に広がりました。
異性化糖の作り方
サツマイモやトウモロコシに熱を加えて分解しそれらから出るでんぷんを更に分解してブドウ糖を精製し、そこに酵素を加えて果糖を作ります。異性化糖をデンプンから作るためには、三種類の酵素反応を必要とします。
一番目に、ブドウ糖がたくさん結合して構成されているデンプンに、水と液化酵素(αアミラーゼ)を加え、95℃前後で分解します。これは液化といって大きな分子のデンプンをある程度小さく分解する作用があります。液化終了後55℃程度まで冷却し、二番目に糖化酵素(グルコアミラーゼ)を加えて、さらに小さくブドウ糖にまで分解します。三番目に60℃で異性化酵素(グルコースイソメラーゼ)を加えて反応させます。その後、果糖分40%のブドウ糖果糖液糖を得ることができます。さらにクロマトグラフィーという分離装置を用いることによって、果糖分55%のものも作れます。これらの製造に使用される酵素は、いずれも安全な微生物の作り出すものです。一方、砂糖は甜菜(ビート)、あるいは甘蔗(サトウキビ)から熱水抽出・精製して作られ、酵素反応は行われません。
・αアミラーゼ
動物の唾液やヒトの膵臓が持つたんぱく質の消化酵素。麦芽などの植物や土壌中の微生物にも多く含まれていて自然界に広く分布している。澱粉を分解する酵素
・グルコアミラーゼ
別名γアミラーゼとも呼ばれます。αアミラーゼによって分解された澱粉(アミロースやアミロペクチン)の鎖状になっている物(グリコシド結合)をぶどう糖単位で分解する酵素である。
・グルコースイソメラーゼ
正式名称はグルコースリン酸イソメラーゼ又、本籍名はキシロースイソメラーゼ。イソメラーゼとはグルコース(ぶどう糖)を異性化するという意味があり、放線菌と言われる自然界に多く存在している菌が植物に含まれるキシランという物質から生産する酵素です。(最初の放線菌が発見されたのは千葉県国府台の土壌)
植物は本来、紫外線を浴びて光合成を行い土から栄養を吸収し、ぶどう糖を作り体内にでんぷんとして蓄えます。なので加水分解をすれば逆にでんぷんをぶどう糖に戻すことで容易にできるのです。
ですが、ぶどう糖は砂糖の7割程の甘みしかないので酵素の力を借り果糖に変換することで甘みを強くし使い勝手の良い液体として精製することができるのです。
異性化糖の特徴
砂糖(ショ糖)を100%とするならばぶどう糖(でんぷん)は70%、異性化糖は120%~170%の糖度がある。
異性化糖(果糖)は無色透明の液体で、冷たい状態で甘みを強く感じる糖です。温かい状態だと甘みを弱く感じ砂糖と比べるとキレのある甘さが特徴です。
なので、清涼飲料水や冷菓、ガムシロップ、パン、缶詰、乳製品などに多く使われています。
生産するのにとても安価で広く使いやすい。
異性化糖が人体にもたらす影響
まず、普通の砂糖の10倍ほどの甘みがあります。異性化糖は成分が半分以上が果糖です。
ぶどう糖は小腸で吸収された後に血液中に入り全身に運ばれエネルギーとして代謝され余った分分が中性脂肪となって貯蓄されます。果糖は小腸で吸収されず直接肝臓に運ばれ代謝される為、血糖は上げませんがそのまま肝臓で中性脂肪に変換されます。そして、余分なものが脂肪として肝臓に蓄積し脂質異常や脂肪肝を引き起こします。
更に、ぶどう糖と果糖を摂取した後では満腹感が違います。ぶどう糖を摂取した後では血糖値を上昇させインスリンを分泌させ食欲を抑えるホルモンが働きます。ところが果糖は直接血糖値を上げないのでインスリン分泌が弱く食欲を抑えるホルモンが働きません。これにより果糖を取っても満腹感が得られず、空腹感が減らず、甘いものがもっと欲しくなる現象に陥ります。
この食欲をコントロールしているのが脳の視床下部という場所ですが、同じく脳の前頭葉と言われる場所の前頭前野では甘いものを取ると快楽報酬系というドーパミンホルモンを出します。 このホルモンは幸福感を多く得られるホルモンなのですが、同時に中毒に似た症状に陥ることがあります。疲れた時に甘いものが欲しくなり清涼飲料水や甘いお菓子などを食べて一時的に幸福を感じる事が出来ますが数分経つと急激に眠くなったり、だるくなったり、イライラしたりする経験はありませんか?
実はこの症状が負の連鎖を引き起こす問題点であり異性化糖を摂取するリスクでもあるのです。 異性化糖又は高濃度の糖類を摂取(多量の精製されたぶどう糖、果糖)→一時的に強烈な幸福感を得る(急激な血糖値の上昇、インスリンの分泌、ドーパミンの分泌)→満腹感が得られず血糖値スパイクを起こし気分の浮き沈みが激しくなり怒りっぽくなったり落ち込みやすくなる→そして、血管や肝臓、膵臓、腸が糖化し(AGE、日本名は終末糖化産物)老化現象を起こし疲れやすくなりまた幸福感を得たくなる。→異性化糖又は砂糖を摂取。
この様な連鎖に陥ります。こうなると体はどんどん老化していき糖尿病やがんのリスクが格段と上がります。現在は至って今まで健康だった30代半ばくらいの成人が男女問わず二型糖尿病になっているほどです。数は多くありませんがこれまでに聞いたことのない事例が出てきていることは確かです。
結論
現代社会はとても便利になり食べる物に困ることはそうそうないですよね。 ですが、便利になり過ぎたが故にどこか欠けている物が多くなった気もします。 安くて美味しくかつ大量に生産できる。そして時間がかからない。手の届かないところに全て届いた感じ。サービスにおいては超一流だと思います。 日本の企業努力が花芽を咲かせた裏側では人への健康被害が時間をかけてゆっくりと迫っている事にも目向けなければなりません。 全ての人間に言える事ではないが後先になり後悔をしたくないのであれば今のうちから自分の体に入れる物は一度見つめなおし適正な量を自分なりに見極めるのも良いかもしれませんね。